'*★ 佐藤琢磨の快挙 ★*'
2007年6月10日カナダGP。あれから2回もカナダGPを見直しました。いろんな記事を読んで、改めて琢磨ってすごいな、と思いました。
2年前に琢磨のことを書いたことがあるけど、あれから、スーパーアグリという弱小と呼ばれるチームをひっぱってきた琢磨。今年に入ってからは、最下位を脱出し、予選でもキラリと光る走りを魅せてくれていました。
大荒れに荒れたカナダGP。スーパーアグリの佐藤琢磨は合計3回ピットストップをしています。給油は2回すれば足りるはずです。
なのに琢磨は、セーフティカーが入った直後にピットに入ってきました。前回書いたように、今年からセーフティカー導入時のルールが代わり、セーフティカー中には給油ができません。
「なぜここで入るんだ?』「戦略ミス?」と思った人も多いでしょう。
でも、あとで記事を読んでびっくり。あれは、琢磨が独断で決めたことだったそうです。理由はタイヤのため。
今年のもう一つのタイヤのルールで、ドライバーは1レースで「必ず2種類のタイヤをはかなくてはならない」というのがあります。今回は「ソフト」か「スーパーソフト」。
「スーパーソフト」は短距離なら早さがでるのですが、長距離になるとどんどん遅くなっていくそうです。だから、できるだけ「スーパーソフト」を履く時間は短くしたい、でも、ピットストップして履き替えるとそれだけ時間を損する、だから皆、がまんして「スーパーソフト」を履いているのです。
琢磨はこのとき「ソフト」を履いていました。そして、何も無ければあと一度、給油して、同時に「スーパーソフト」に履き替え、レースを終える予定でした。
琢磨は、セーフティカーがはいった瞬間にピットに入ることを決めたそうです。ここで「スーパーソフト」に履き替えれば、次の給油までの短い時間だけ「スーパーソフト」を使う事になる、その後は「ソフト」に履き替えることができる。「クルーは夜遅くまで練習してるから必ず答えてくれる」と思って。
それが大正解だったんですね。そのあとの給油のときに「ソフト」に履き替えた琢磨は、トヨタのラルフ、マクラーレンのアロンソを抜くことができたのです。堂々の6位となったのです。あのときタイヤ交換をしなければ、この快挙は達成できなかったそうです。
順位が上がってくると、守りに入って抜かなくなっていくドライバーが多い中、魅せる走りをしてくれる琢磨。本当にすばらしいレースでした。
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