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..*..*.. 2005 Sep 29, Thu ..*..*..

'*★ がんばれ、琢磨!! ★*'


現在、日本人でたった一人のF1ドライバー、佐藤琢磨の来年度(2006年)のF1シート喪失の危機をご存知でしょうか。今回のことでは、F1を知る大半の日本人は怒っていると思います。今日は、その経緯を説明します。

今年、「BARホンダ」にいるのはジェンソン・バトンと佐藤琢磨。2つしかないシートのうち、来年の1つめのシートは、バリチェロに決まっているので残りは1つ。それがバトンに決まってしまいました。つまり琢磨はBARホンダのシートを喪失してしまったのです。


+2004年 -- バトンが「BARホンダを離れたい、ウィリアムズで優勝したい」と言い出すも、BARホンダとの契約上許されず、バトンは2004,5年はあきらめ、2006年(来年)の契約を2004年にウィリアムズとかわす。

+2005年6月 -- エンジンメーカーのBMWがウィリアムズとの契約を更新せず、2006年のウィリアムズのエンジンは未定となる。これを知ったバトンは、「来年、ウィリアムズへいきたくない。BARホンダに残りたい」と去年と逆の希望を出すが、ウィリアムズのフランク・ウィリアムズは「契約だからバトンは来年はうちのチームで走らなくてはならない」と認めない。(あたりまえ)

+2005年8月 -- BARホンダ、バリチェロと2006年の契約を発表。あとでBARホンダが語ったとこによると、これは2006年にバトンが抜けることによる補充だった。

+2005年9月19日 -- バトンがウィリアムズとの問題を解消し、BARホンダに残留する、との噂がとびこむ。まさか、まさか、と青くなる琢磨ファン。

+2005年9月21日 -- ウィリアムズがバトンとの契約を解消した、と正式発表。バトンの来期のBAR残留が決定し、同時に琢磨のBARホンダでの来期のシート喪失も決定。


どうやって解消したのかというと、もちろん、お金です。ウィリアムズは、BMWエンジンの他にHPという大型スポンサーをなくして資金難に陥っていたため、お金が必要でした。表向きはバトンが自腹を切ってこの違約金を支払ったことになっているのですが、その金額は50億と言われています。そんな大金をバトンが一人で払えるか、もちろん、無理でしょう。

つまり、バトンのわがままの肩代わりをしたのは、BARホンダ、というわけなのです。バトンは確かに優れたドライバーであり、ミスもほとんどありませんが、まだ一度も優勝経験がありません。そんなドライバーにそんな大金を払うなんてちょっとおかしくありません?

実は、BARホンダは、5、6年前にビルヌーブと大金で長期契約をかわし、ビルヌーブがふるわず弱くなっていったという経緯があります。それを、一昨年、ディビッド・リチャーズ代表が大型立て直しをはかったのに、去年のバトン問題の責任をとる形で、リチャーズは去年、更迭させられていました。今回、バトンとは、来年以降のドライバー契約(年数は未発表)を30億だか40億だかの大金で長期契約をしたと言われていて、それって、ビルヌーブのときを同じことをしてるのでは?

今年は、まだあと2戦残っていますが、琢磨の成績は不振でした。でも、この不振の原因は、BARホンダの戦略ミスや、ピットの不手際によるものが多いんですよ。レース中に名門チームなら絶対にやらないようなミスを次々と侵しています。でも、F1くらいになると「運も実力のうち」と言われてしまい、琢磨一人が不振を背負ってしまう形になっていました。

BARホンダが、考えて考えて考えた末に琢磨を切り離すのなら、ファンも受け入れたかもしれません。でも、大半の人は「琢磨には実力がある、来年こそは」と心の中で思っていたのではないでしょうか。

それが、こんな形で、いきなり決まってしまったシート喪失。わがまま坊や(バトン)の言いなりになった結果。しかも、琢磨が語ったところによると、発表前にBARホンダからの説明はなく、発表後にマネージャーから聞かされたとか。誠意もなにも感じられません。

日本人のF1ファンの怒りは爆発しました。その矛先は、BARホンダと、BARホンダの株を45%持っているエンジンメーカーのホンダに向けられました。あまりの反響の大きさにホンダはタジタジ。9月23日に「ホンダとBARホンダはウィリアムズにお金を支払っていない」と発表しました。でも、バトンはお金の出所は話せない、って頑なに黙ってます。BARホンダ以外には考えられないよね。ホンダの社長は「琢磨くんに決まるものとばかり思ってた」だってさ。

実際のところ、本当にホンダはBARから知らされてなかったらしい、とは言われています。ホンダはBARホンダの株式を45%も保持してるのに、どうして経営になにも関わってないの?これって、ホンダがイギリスのチーム(BAR)にばかにされてるのでは?という疑問が、また、怒りをまねきました。

ホンダの秘蔵っ子と言われていた琢磨は、BARホンダのサードドライバー(補欠)になるか、ホンダ関連の別のレースに行くかのどちらかだろう、と言われていました。が、琢磨本人ははっきりとした意思表示をしました。「自分自身やり残したこと多過ぎる、来年もF1で走りたい。サードドライバーという意思はない」。つまり、他でF1のレギュラーシートを探す、ということです。

もう残りのシートはあまりないんです。でも、琢磨の実力は評価されていて、琢磨を走らせたいと言っているチームはあります。ただし、F1はものすごくお金がかかるので、チームをバックアップしているスポンサーが「イギリス人をドライバーに」と言ったら琢磨は無理、そういう世界です。

また、このチームは来期トヨタエンジンを使う予定になっています。F1のトヨタは、日本ではなくヨーロッパを拠点としていて、日本人には最初からこだわっていないので、今回のことも「トヨタは琢磨のシートには関与しない」と言っています。けど、琢磨がトヨタ系に移ったらうれしいでしょうね。結果を出せる可能性大のドライバーですから。

これを喜べないのはホンダです。ホンダは最初、「琢磨くんはサードドライバーに」なんて言ってたんだけど、琢磨にはっきり否定されて、今では琢磨を全面的にバックアップする、と言っています。ということは、エンジンが決まってないチームにホンダエンジンを提供して、琢磨を押し込む、ということか。

とにかく今は、いろんな噂があり、来週末の日本グランプリ(10/9)までに、何らかの発表があると言われています。

鈴鹿(日本グランプリ)のチケットは売りきれ。鈴鹿は琢磨のファンで埋め尽くされます。母国グランプリで自滅するドライバーも多い中、琢磨は去年も一昨年も、その前の年も、日本のファンの前でポイントを獲得しています。がんばれ、琢磨!!

...ヨーロッパ紙では、この日本人の怒りを伝え、日本グランプリではBARホンダとバトンは非難の的になるだろう、と報じているそうです。アンチバトンの横断幕も準備してるとか。ま、バトンが歓迎されないのは、自業自得でしょうね。


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