'*★ F1第17戦ブラジルGP ★*'
2007年10月21日F1第17戦ブラジルGP。
序盤で先を急いだマクラーレンのハミルトンが大きくはみだし、その後もスローダウンで大きく順位を落としました。ミスなく淡々と行くアロンソ、危なげなく進むフェラーリの2台は途中、順位を入れ替え、キミが優勝で今年のワールドチャンピオンも獲得しました。
ブラジルGPではキミ(フェラーリ)優勝、マッサ(フェラーリ)2位、アロンソ(マクラーレン)3位ですが、本当に嬉しそうだったのは、キミ一人でしたね。
このキミの優勝は、マッサの協力があってのもの、そして、フェラーリの作戦のおかげですよね。序盤、マッサはキミを先に行かせずペースを守ったおかげで、フェラーリの2台がタイヤを酷使してリタイアするということからまぬがれたのではないかと思います。
マッサのピットストップ中にキミが飛ばして、直後のキミのピットストップ後、キミの力でマッサに先攻できたのも、いや、先攻できたようにみせることができたのは、フェラーリの作戦だと思います。F1は明らかなチームオーダー(ドライバーへの命令)を禁止していますから、へたにコース上でマッサに抜かさせたら、あとでどんなペナルティがでるともわかりません。
キミもマッサも頑張っていますが、フェラーリのチーム戦略がものを言いました。そして、そのチーム戦略にきちんとのれたドライバー(ミスでもしてたら台無しだったし)と、ドライバー同士が協力する環境を普段から作り上げてきたチーム力は賞賛に値すると思います。
そこに行くまでのキミの実力と努力も計り知れませんが、でもやっぱりマッサがよい仕事をしたと言えます。そういえば、去年、アロンソがルノーでタイトルをとったときのチームメートのフィジケラも、同じようにアロンソをサポートしてました。
一方、マクラーレンの2台には、そんな協力関係はまったくありませんでしたね。もちろん、アロンソとハミルトンはトップを争っていたので協力意識は希薄だったでしょうが、マクラーレン代表ロン・デニスのハミルトンへの明らかなえこひいきに、アロンソはよく耐えたと思います。この環境で、ハミルトンに協力する気なんてさらさら起きないでしょう。
新人ハミルトンに勝って欲しかった気もしますが、これでよかったんだと思います。
というのは、後半戦にきて、あきらかにF1を主催するFIA(国際自動車連盟)は、ハミルトンを勝たせたかったと感じたからです。中盤以降、同じ事をしてもハミルトンにはペナルティもなし、審議の対象にもならないハミルトン擁護の姿勢は鼻につきました。
FIAの目的は興行収入で、F1の人気が出て、F1ファン以外の一般の人の関心をもっと引きたいのです。そのためには「スタードライバーがいること」が大切だそうです。
昨年、王者ミハエル・シューマッハが引退したあと、F1はそういう人物がいなくなりました。そこに新星ハミルトンが現れました。最初はみんな、様子見でしたが、彼の実力がまぐれでないことに気づき始めた中盤以降、明らかにFIAはハミルトンをひいきし始めたと、F1ファンなら誰もが感じていることでしょう。
ハミルトンがワールドチャンピオンになれば、「ルーキー(新人)」「史上最年少」「初の黒人ドライバー」ということで世間の注目を惹くことは容易に想像できます。
現に、FIAのエクレストンは、ハミルトンの優勝がほぼ確定的だった2戦前、「私はハミルトンが優勝しないことがとても怖い」「キミとアロンソは、強くてもF1には何も貢献しない」という発言しています。キミもアロンソも、個性が強くて、ミハエルのときのような優等生発言をしないし、多少は品格は低めかもしれない(笑)
でも、F1の速さにそんなこと関係ないですよね。今回のレースは本当に楽しめました。キミ、おめでとう!!
|