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..*..*.. 2012 Jul 08, Sun ..*..*..

'*★ アメリカ自転車界のドーピング問題 ★*'


最近また騒がれ始めているアメリカ自転車界のドーピング問題。覚えていることを、時系列でまとめてみました。

事の発端は、「USポスタル」の選手であったフロイド・ランディスが、彼がチームに所属していた7年間、彼と、ツール・ド・フランスで7回優勝したランス・アームストロングがドーピングしていたと告白したこと。当時のオーナー「USポスタル」は政府機関のため、もしこの問題が事実であるなら、不正行為に税金を利用した事となり、見過ごせないと、アメリカ連邦捜査局(FBI)が調査を開始。

当時のランスのチームメートが次々と証言させられるも、内容は未公開。現役選手たちとランスはドーピングを否定したが、ランスの元チームメートで既に引退しているタイラー・ハミルトンがアメリカの報道番組60 Minutesで告白。

私は番組を見逃したが、友達から聞いた話では、「ドーピングはあった、でも、当時はそういう風潮だったからしょうがない」といった内容らしい。ランス側は、「ハミルトンは現役を引退して本を出そうとしているから、話題になってほしいだけ、ランスのことを話題にすれば本も売れるから」と説明。

時を同じくして、元チームメートのジョージ・ヒンカピーが「ランスはドーピングをやっていたと証言した」という噂が流れたが、ヒンカピーはコメントせず、一切無視。同様の噂はあちこちで流れる。

2012年2月に、証拠不十分かなにかで証明できないという結論とともに、調査は終了。

ところが、アメリカのアンチドーピング機構(USADA)は、今年のツール・ド・フランスの直前(2012年6月)になって、ランスが7回優勝したときのドーピング疑惑も含めて調査を開始すると発表。

2009年頃にランスから採取した血液にドーピングとは断定できないが、見逃せない問題があった為とのこと。この調査期間、ランスは一切の競技の出場を停止させられるらしい。ランスは、自転車引退後、本格的に取り組んでいるトライアスロンに出場できなくなる 。

アメリカのアンチドーピング機構(USADA)は、ランスの他、ジョージ・ヒンカピー(BMC Racing)、リーヴァイ・ライプハイマー(Omega Pharma-Quick Step)、クリスチャン・ヴァンデベルデ(Garmin-Sharp)、ディビッド・ザブリスキー(Garmin-Sharp)、ヨハン・ブリュイネール監督(Radioshack Nissan)他4名もドーピング疑惑の調査をすると発表。

これを受けて、この4選手はアメリカオリンピック協会から、オリンピック出場を取り消された。ブリュイネール監督は2012年のツール・ド・フランスへの帯同を取りやめた。

これに疑問を持ったランス側は、弁護士を通じ、アメリカのアンチドーピング機構(USADA)に対して、質問状を正式に送付。質問内容は、確か、調査の理由を聞くとかそんな感じ。でも、アメリカのアンチドーピング機構(USADA)はこれに回答せず。手紙に返事も出さず。そこで、ランスは訴訟を起こしたはず。

ここまでは、今年のツール・ド・フランスが始まる前の事。ところがここに来て、ツール・ド・フランス第4ステージが終わった日に、オランダの新聞社が、「上記の現役選手4名は調査中で6ヶ月の謹慎となるはずだから、ツール・ド・フランスには出られないのでは?」と書く。

これに対し、常日頃からドーピングを凶弾してきたガーミンの代表、ジョナサン・ヴォーターズ監督はすかさず、「ガーミンのメンバーはクリーンだ。今もこれからも選手を出場停止にはしない。そんな話はどこからも正式に聞いてない」と正式発表。BMCも、ヒンカピーを出場停止にしない、と発表。少し遅れて、クイックステップは「今のところ」リーバイを出場停止にしない、と。

USADAもすぐに、「これらの選手がツール・ド・フランスに出場するかどうかについてはコメントしていない、こちらはこちらで適切な手続きを踏むからこのケースに構うな」的なことを発表。ヴォーターズはこれに対して「アマチュアのジャーナリストへの適切な返答だ」と、ツール・ド・フランス第5ステージのレース中に車の中からコメント。

自転車ロードレース競技を運営するUCI(国際自転車競技連合)は、「アメリカ側から調査結果をもらっていないので、なにも判定できない」と関与を否定。ツール・ド・フランスの主催者側も「現役選手4名のことについては、ここで議論することじゃない」とコメント。ひとまず落ち着く。

それにしても、ジョナサン・ヴォーターズ監督の対応は早かった。これがなかったら、噂が噂を呼んで、選手やチームはつらい思いをしたのではないでしょうか。「クリーンであることが大切、勝てなくてもしょうがない」的なことを常に言って、選手たちにも厳しく接してきたヴォーターズだから、クリーンであると信じる現役選手たちへの侮辱に、即座に対応しのでしょう。

とはいえ、この先どんな展開になることやら。。。

ちなみに今日のツール・ド・フランス第8ステージの終了後、選手たちのツイートで、「ウィギンスよく言った」的なのがたくさんありました。なんの記事なのかクリックしてみたら、現在、総合1位のイエロージャージのブラッドリー・ウィギンスが、記者会見で、このドーピング問題について質問され、「その話はうんざりだ。そんな話ばかりしてる人たちと話はできない」と、早々に会見場を後にしたそう。

選手たちは、ツイッターではほとんどこの話題には触れていなかったけど、やっぱりうんざりしていたんですね。私もです。

記事元は、テレビのニュースや本人たちのツイート、www.cyclingnews.com、velonews.competitor.com、nbcsports.msnbc.com など。

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