留学日記’97

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12月28日(日) 晴れ

11月の映画


12月も終わろうとしていますが(^^;、10月に見た映画に続いて11月の映画です。11月には The RainmakerThe Red Cornerを見ました。

私は、とりあえず話題になった映画は見る方ですが、納得のいかないものも数多くあります。いわゆる「ハリウッド映画」と呼ばれる派手なアクションばかりに焦点をおいているもの好きにはなれません。反面、複線がきちんと解決していれば、ありきたりの結末やストーリーでも十分楽しめるタイプだと思います。そんな中で10月、11月に私の見た映画は当たりでした(^^)v


* The Rainmaker(Francis Ford Coppola 監督) --------------------

マット・デーモン(MATT DAMON)主演ジョン・グリシャム(John Grisham) 原作。グリシャムの作品は、トム・クルーズの『ファーム』しか見ていませんが、自分の利益しか省みないアメリカ企業の違法ぎりぎりのやり方を正義であばく、というような実際にありそうな話を書く作家と思っていいのでしょうか。今回の、この Rainmaker もそのようなストーリーです。

主人公のルディ・ベイラー(MATT DAMON)は弁護士。デック・シフレット(Danny DeVito)と共にアメリカの保険会社、Great Benefit Insurance の不正をあばきます。この会社はお客に一切保険金を支払わないように裏で細工しています。ルディはそれをあばこうとしますが、相手側にも弁護士がたくさんいて、何度もくじけそうになりながら解決していく、という内容です。

被害者のガン患者の母親がこの会社を訴え、それをルディが法廷で弁護するという形で話は進展します。この被害者の死やその家庭に焦点があてられたり、以前この会社で働いていて不正を暴こうと立ち上った女性社員が法廷で相手側に責められる場面など、ところどころに人間の悲哀みたいなものが見え、目が離せません。

最後にはルディが勝ちますが、全く同じ手口をすべての患者にしているため、この勝訴がテレビで告げられた次の日にはたくさんの人がこの会社を訴え、結局お金は誰にも支払われることなくこの会社はつぶれてしまいます。最後にルディにかかってきた電話は「誰一人笑う人はいない」。つまり、ルディが、Rainmaker です。Rainmaker (雨のもとを作る人)とは人々の悲しみを生み出す人というような意味があるのではないでしょうか。

ですが、決して後味の悪い映画ではありません。次々とくるストーリーの展開、グリシャムならきっと正義が勝つだろうという安心感、そして次に何が起こるだろうどうやって勝つのだろうという期待。法廷の場面などもわくわくしながら見ることができると思います。

やはり笑える存在もいます(^^)。ルディの味方の弁護士、Danny DeVito です。彼はいつも笑わせてくれているわけでもないのですが、なぜか彼が出てくるとほっとします。背がものすごく低くて印象的で、他の映画でも見かけたような、、、彼くらいの人って、映画の世界ではひっぱりだこなんじゃないかなぁ、、と密かに感じました(^^)。



* The Red Corner ( Jon Avnet 監督) --------------------

リチャード・ギア(Richard Gere)主演。ジャック・ムーア(Richard Gere)は、将来有望なアメリカ人。ところが中国で事件にまきこまれます。

ある晩、バーでモデルの中国人女性と知り合い一夜を共にします。が、目が覚めると彼女が部屋の中で殺されていました。中国にいるために、思うようにアメリカの弁護士をつけるわけにもいかず、中国人の女性弁護士(Bai Ling)を国からつけられますが、彼女はジャックを全く信じていないばかりか「いつもの事件だから」とジャックの話も聞きません。

ジャックは自分で解決しようと、獄中で法律の本を読んだり逃亡しようとしたり。だんだん彼女も真剣になり最後には打ち解けます。事件の鍵を解くポイントは、彼女がジャックといるときに携帯電話でしゃべった中国語。ジャックが少しずつ思い出していきます。

ジャックが護送中の車から逃げ出すシーンは「また追っかけっこ。。」とうんざりしましたが、それ以外のストーリーはよかったです。一度アメリカ大使館に逃げ込みますが、いつもジャックにお世辞を言っていた仲間が何もジャックに協力していないことを知って、自ら大使館を出て行く場面では「あんなに一生懸命に逃げたのにもったいない、やっぱり映画だ」と思わされました(^^;。

私はこの中国人弁護士に惹かれました。最初は全くのただの仕事として取り扱っていくのですが、少しずつ、間違っていたら間違っていたと認めながら、ジャックを信じ始めるところは、苦労してきたけれども心はすさんでいない、という感じでよかったです。

この映画でも、中国政府はものすごく悪く描かれていました(^^;。Seven Years In Tibetでも中国政府は抗議したそうですが、Red Corner ではどうなのでしょう。アメリカ人の友人に「アメリカ人はすぐ中国のことを悪く言う」と言ったら、「そんなことはない」と言われました。中国人の友人に「中国人はすぐアメリカを訴える」と言ったら、「そんなことはない」と言われました。もちろん、私たちは冗談で言い合っています(^^)。(こんなこと真剣に話しあったら一晩かかるでしょう(^^;)








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