本屋さん


11月2日(火) くもり


日本にいたころは、毎日のように本屋さんに寄ってから帰っていた。本屋さんに寄らないとなんだか落ち着かなくて。

本を読むのは好きだけど、その割には読むのは遅い。20歳すぎたくらいから、月2冊くらいのペースで読んでいた。電車の行き帰りで読んでいたけど、どんなに早く読もうと思っても、このペースだった。でも、このペースで10年近く続いた。

ところが、というか、当たり前だけど、というのか、アメリカに来てからはバッタリ本屋さんへ行かなくなってしまった。英語の本だと読む気がおきないから。ニューヨーク州の田舎の私の町には、日本の本屋さんなんてなかった。日本食のレストランだってないんだもの。

こっちに来て1年目は語学学校だったこともあり、比較的時間があったので、英語の本を何冊か読んだりもした。だけど、それ以後は、勉強が忙しくなったことを理由に、やめてしまった。

日本語の本に関しては、アメリカの1年目が終わるころ、それまで日本語には触れないようにしていたので禁読(こんな言葉ある?(^^;)していた反動からか、その夏、日本に帰ったときに、1ヶ月間、1日に1冊くらいのペースで読んだ。気持ちが潤っていく感じがした。

が、そんな気持ちもあれで最後だった。2年目以降は、日本語の本も英語の本もまったく読まなくても、なんの反動もなくなったまま、今日まできてしまった。ときどき読むけど、半年に1冊くらい。(ただし、雑誌「ダ・ヴィンチ」は別。毎月、日本から送ってもらって読んでいた。)

その後、本屋さんで何時間も時間をつぶす楽しさも、読んでいくうちに気持ちが潤ってくるような感覚も、もう持つことはないのかな、って思っていた。英語の本では楽しい気持ちを持つに至らなかった。日本語の本もいつも手にとってるから面白いような気がした。

おととい、シリコンバレーにある紀伊国屋に行った。ちなみにこっちの紀伊国屋は、ニューヨークのと違って、店員さんの感じがいい(^^)。(こんなにいい紀伊国屋は、世界でひとつなのではないか?!)

そうしたら、久しぶりにあのころの感覚が戻ってきた。新刊コーナー、売れ筋コーナー、雑誌売り場や小説売り場をさまよって、専門書へ行き、また戻って、今度はマンガ...なんだかすごく楽しかった。気がついたら2時間くらいたっていて、結局買ったのは1冊だけ。これがいつものパターン。

静かな本の世界って、私は大好きだ。








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