日記’98

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9月 20日(日) 晴れ

マチス


赤瀬川原平という人の名画読本(光文社)には、いくつかの絵の解説(彼なりの解釈)も載っていました。

その中で惹かれたのが、マチスの「ピアノレッスン」という絵。

男の子がピアノに向かってピアノをひいていて、遠くから母親らしい人が彼を見守っている、となりには彫刻があって、それがどうも先生を象徴しているみたいです。

男の子の顔はきちんと描かれていなくて、お母さんの顔ものっぺらぼうになっているんだけど、男の子のまなざしの真剣さとお母さんの暖かさが伝わってきます。

そして私が惹かれたのは色使いです。グリーンとローズ色とオレンジ色がとてもきれいで、それが使われ過ぎてもいず、ちょうどいい配色になっているような気がしました。

マチスは、色の王様と言われたそうです。だけど、彼は死ぬ間際に「私は色のことでは一生苦しんだ」と言っていたそうです。

赤瀬川原平によると、この「ピアノレッスン」にもところどころに彼の苦悩が見られます。確かに何度も何度も書き直して削ったあとがあります。

私はニューヨークの近代美術館に実際のものを見に行きました。

そしてそういうエピソードや絵を見て、彼の人間らしさを感じました。

ミロがインスピレーションでさらっと描いているように見えるのに対して、マチスは迷ったあげくに描きあげ、自分の苦悩をきれいな色彩と暖かさに切り替えているような気がしました。

それで私はなんだかマチスがとっても好きになったのです。

他の絵にも、彼の出すやさしい曲線と色使い、それぞれの色が争わないで調和がとれていて、それは人物画や静物画のところどころに現われているような気がしました。

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私は、部屋に絵を飾るという感覚はあまりもっていませんでした。ある日、明子さんの家に遊びにいったときに、いろんな絵がきれいに飾られているのを見て、私も「落ち着いたら部屋に飾ってみたい」と思うようになりました。

そして見つけた絵。

タイトルはわかりませんが、金魚が真ん中にあって、その周りには植物が彩りよくきれいに描かれている、金魚は合計4匹いて、口が面白くあいていて、どこかユーモラス。

当時の私の部屋には、うまく飾れる場所がなかったので、まるめて大事にしまっておきました。やっぱり絵を飾るにはそれなりのスペースと配置が必要ですよね。当時の私の部屋にはその絵を飾るのに気に入った空間はありませんでした。

「いつ飾れる日がくるんだろう」

そう思いつづけてきましたが、やっと今、飾る場所ができました。

そうやって飾ったのが1週間まえ。ずっと見ててもあきません(^^)





American Jokesの更新もしました(^^)



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