留学日記’98

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3月15日(日) 晴れ、、昨日は大雪

お金をとられそうになったこと(前編)


3年前のこの時期、初めて大学の授業をとった私に、ドミニカ共和国から来たローズマリーはよくしゃべりかけてきました。

ある日、授業にいくと彼女が深刻な顔をして「話がある」と言いました。

「自分は大きな問題を抱えている。お金を貸してくれないか」と言うのです。

彼女が唯一話しかけてきたクラスメートだったこと、彼女はこの学期が最後でこのコースを終えないと卒業できないこと、ちょうど移民を申請中だったこと、つまり悪いことはできないだろうという理由から私は貸すことにしました。

貸したのは60ドル(約6000円)。この金額はアメリカでは大金です。ちょっと貸すなどというものではありません。

私は、彼女の学生証から、アメリカに長期滞在する人なら誰でももっているソーシャルセキュリティナンバーを書き写し、「恵子からお金を借りた」と書かせて署名をさせました。

「いつ返してくれるの?」
「今月中には返せない」
「じゃあ4月中ね。約束して、4月中には返すって
もちろん

ところがその後、彼女はときどき授業を休んだり、よそよそしくなりました。

予想通り、4月の最後の授業の日にも、彼女から話しかけてはきませんでした。

「4月中に返してくれるって言ったよね」
「今日は28日でしょう?30日には返すわ

それで、30日に私たちは図書館で待ち合わせました。

彼女は来ました。ところが「今日、返そうと思っていたお金を妹が持ってくる途中に、車の事故にあった」と言うのです。

「どこの病院?」
「私にはわからない、お母さんから電話があったの」
「じゃあ、お母さんにどこの病院か聞いてみて、私が病院に容体を問い合わせるから」
「今、電話をかけるお金がない」

これ以上お金を貸すのは嫌だったので、

「それじゃあ電話番号を教えて、私が家に帰って直接電話する」
「お母さんは英語がしゃべれない」
「それじゃあどこの病院か思いだして」
「思い出せない」

もう話しても無理だと思い、

「とにかく私が貸してるお金はいつ返してくれるの?」
「信じて!恵子、私は嘘をついていない」
「もちろん信じるわよ(^^)、でもそれと私の貸したお金は別。私もどうしても、あの60ドルが必要なの。いつ返してくれるの?
「。。。来週の月曜日なら返せる」
「じゃあ来週の月曜日にここで」

と、もう一度約束しました。

ところが彼女は来なかったのです。電話をしても留守電ばかり。そこで留守電に

「どうして来なかったの?お金を返せようが返せまいが、明日図書館に来なさい。来なければ、私が借用書を持ってるのは知っているわね。それを持ってキャンパスポリスに行きます」

とメッセージを残しました。

すると、彼女はお金を持たずに来ました。

正直言って、もう面倒くさくなっていました。このまま今度のことは、簡単に人にお金を貸してはいけないと学んだことにして終わりにしようか、と思いました。

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でも私は、ある日本人の留学生の女の子の言葉を思い出しました。

ある日彼女が、奨学金のことを調べに自分の学校のセンターへ行くと、「日本人はお金持ちなんでしょ!こんなところに来ないで!迷惑よ!」と係のお姉さんに言われたそうです。

彼女は、「これが日本だったら喧嘩をしたくないから、黙って家に帰ってその人がいないときにまた来る。だけどそんなことをしたら、日本人はみんな気が弱くて、ちょっと強気に出ればすぐひっこむと思われる。自分が黙って帰ったら、日本人全員が馬鹿にされる、だから言い合いをした。最後にはその人は謝った」と言いました。

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私はこれを思い出し、私が今ひっこんだら、ローズマリーは日本人はちょろいと思うだろうと思い直して、次の戦略に出ることにしました。







* American Jokesの「人生の公式」(「初級数学」から改名(^^;)にはたくさんコメントをつけました。いろんな意見があって面白いものです(^^)。また、前回出した「歯医者の予約」は、直訳ではなく私の実体験ををつけてみました。お気に召すでしょうか?(^^;

* 前回の日記をアップしたあと数時間、カウンタがまたくずれました(^^;。その間に「00000番とりました」と報告してくれたのは来年1年間の留学が決まっているYUKIさん

「働くようになって、お金を貯めて、恵子さんの様に留学するのが夢です(@^^@)そして恵子さんみたいな留学HPが持てたらいいなぁ・・・なんて思ってるんですけど」

どうもありがとう。何年か後の予定ってステキ(*^^*)。HPができたら教えてね(^^)



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