留学日記’98

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1月23日(金) 一日中 雪

英語の発音(1)


発音に関しては、「私ほど苦労した人間っていないんじゃないかな」と思えるほどです(^^;。

私は大学の時に何かの本で、「日本語発音で何が悪い」というような記事を読んだことがあります。これは「英語はアメリカ人とイギリス人のようにしゃべれなくてもいい。コミュニケーションがとれればいいのだから、堂々と日本語発音でアメリカ人と勝負しよう!」という内容で、私は全く納得してしまいました。そしてその後、日本で英会話学校へ何度か通いましたが、発音に気を使うことは全くありませんでした

もともと私は性格的に理屈から入る人間で、感覚の人ではありせん。学生時代も歴史が一番好きでしたが、これは出来事すべてに理由があるから。嫌いだったのは英語の単語と日本語の漢字。暗記しなくちゃいけないものはとても苦手でした。

発音っていうのは、まさに感覚の問題だと思うんですね。大学の最初の頃は会話のクラスをとっていたし、会話学校にも行ったりと興味を持っていたのですが、耳から入ってきたものを理屈なしにそのまま出せばいいと言われても、私にはどうしてもできないんです。それで上記の記事を読んだときには「これだ!」と思い、発音のことで悩むのはやめました。

ところが、ここに来てからは全く事情が変わりました。私の完全な日本語発音では、アメリカ人はもとより、ヨーロッパ人やアジア人にも通じないんです。私はもともと無口ではないので(^^;、慣れてくるとどんどんしゃべりたくなるのですが、発音のせいでちょっとした単語にもつまずき、会話も長引きます。

例えば"It's raining."という言葉が通じなくて、スペルアウトする時にそのままカタカナ発音で「アール」などと言ってしまうので、相手には何の単語を言いたいのかも通じず、同じことの繰り返しばかりで話は進まずにフラストレーションがたまる一方でした。

だいたい発音というのはそこにいればいつのまにかきれいになっていたということはあまりないようです。ESL(語学学校)で、文章や文法はどんどん書けるようになっていくのですが、発音はいつまでたってもうまくなりません。

発音のうまい日本人留学生に“こつ”を聞くと常に英語らしく発音しようとしてきたという人が多く、夜寝る前にいつも声に出して練習をしたなどということをきいているうちに、私も「このままではいけない」と思うようになりました。

ある日、英語の先生で友達でもあるサラに「10年以上、このやりかたでいこう(カタカナ発音)と考えてきたのに今さら変えるのは嫌だなぁ、、第一どうやって練習すればいいのかさえわからない」と言うと、「いけないと気づいた今変えなければ、これから20年以上何も変わらないのよ。私も日本人の発音に興味があるから教えてあげる」と言ってくれて、それから3ヶ月くらい朝の散歩のあとにサラの家で特訓してくれました。

けれどもあまりうまくなりませんでした。と言うのは、最初に書いたように、私は人一倍耳から入ってこないので、口の開け方、舌の位置、喉のどの辺で声を出しているかなどがわからないとうまく発音ができないのです。サラの方では普段気にしないで使っているので、そういうことは正確にはわかりませんでした。

そこで、私の発音で気づいた単語を直してくれることにしたのですが、その単語の発音はできるようになっても、ポイントがいまいちよくわからないので、他の単語に応用できないのです。

ある日サラが「恵子の質問に答えられる人を探した方がいい」と言いました。そして「たぶんそういうことを専門にしている先生がいるんじゃないか」と言うので、いろんな人に聞いてまわったのですがなかなか見つかりません。

しばらくして、このことをマンハッタンに住んでいる日本人の友達に話すと、「ニューヨーク市ならそういう学校がたくさんある」と言うのです。マンハッタンのようなところでは、発音が悪ければそれだけで無視されたり損してしまうことが多いので、きれいな発音になりたいという人がたくさんいるそうです。

そこで私は、NYU(ニューヨーク大学)の付属の語学学校で、アクセントコレクション(Accent Correction)というコースに週に1度2ヶ月間通うことにしました。

私にとって発音を直すことはとてもたいへんでした。サラに教えてもらっても、学校に行っても、簡単にはよくなりませんでした。ただ、ある程度アメリカ人の特徴をつかむと、自分ではたいしてうまくなったように感じなくても、相手に聞き返されることがなくなり、驚くほどフラストレーションはなくなります

自然に入ってくる人もいるでしょうし、苦労しないでアメリカ人とコミュニケーションをとれている外国人もいると思います。でも、私のようなやり方でもある程度成功したと言えるでしょう。

これから時々、英語の発音というタイトルで気づいたことを載せていきたいと思います(^^)






American Jokesは毎週水曜日にアップしていますが、英語だけで読んでみたい人のために一番新しいものは英文のみ、そして次の週に私が簡単な解説やコメントをつけることにしました。読んでみてね(^^)

アクセスカウンタの1000番が近づいています。1000番をとった方は連絡ください(^^)

今日、アメリカ人の方からメールをいただきました。その人は空手を習っていて、宿題で“稽古”についてペーパーを書かなくてはならなくて、"keiko"を検索して見つけたそうです。大笑いしました。いろんな交流がありますよね(^^)


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